屋根に載せる工事でも、屋根工事とは限らない
太陽光パネルは屋根に載るから、屋根工事だと思いがちです。
しかし国土交通省は、設置方法によって業種を分けています。
蓄電池が加われば、電気系統と設置場所の確認も必要です。
この記事では、業種の境界と発注前の判断軸を整理します。
屋根一体型と屋根置き型で、業種はどう変わるのか
国土交通省の区分は、設置場所だけでは決まりません。
パネルが屋根材として働くかどうかが判断軸です。
屋根一体型
太陽光パネル自体が屋根材の役割を持つ方式です。国土交通省は屋根工事に区分しています。
屋根置き型
既存屋根などへ架台とパネルを載せる方式です。国土交通省は電気工事に区分しています。
屋根置き型では、設置に伴う止水処理も電気工事に含まれます。
既存屋根の葺き替えは別の屋根工事です。
蓄電池は屋根工事ではなく、電気設備として考える
経済産業省は、蓄電池を電力貯蔵装置と位置付けています。
太陽光へ併設する場合も、電気系統の一部として扱います。
屋根にパネルがあることを理由に、蓄電池まで屋根工事にはしません。
- 接続方式太陽光、PCS、分電盤、系統との接続を確認。
- 設置場所浸水、直射日光、換気、保守スペースを確認。
- 支持方法重量を支える床、基礎、架台の条件を確認。
- 保安手続設備区分、出力、容量に応じた手続を確認。
大型設備では、基礎や重量物の配置を別業種が担う場面もあります。
電気工事だけでは完結しない場面
屋根を直してからパネルを載せる
劣化した屋根へそのまま設置すると、後の補修が難しくなります。
屋根の葺き替えと太陽光設備は、分けて計画するのが基本です。
地上へ設備を設置する
整地、基礎、フェンス、排水には土工や外構工事が関係します。
電気設備との施工境界は、見積書へ明記してください。
既存設備へ蓄電池を追加する
既存PCSとの適合、回路、保護装置、制御方式を調べます。
単体商品の交換ではなく、設備全体の設計確認が必要です。
見積もり前に確認すべき六つの項目
| 確認項目 | 見る理由 | 質問例 |
|---|---|---|
| 設置方式 | 一体型と置き型で業種が変わるため。 | 屋根材とパネルの関係はどうなるか。 |
| 屋根の状態 | 設置後は補修しにくくなるため。 | 劣化、雨漏り、下地をどう調査したか。 |
| 構造・荷重 | パネル、架台、風、積雪の力が加わるため。 | 設計条件と固定方法は何か。 |
| 電気系統 | 既存容量と保護方式を合わせるため。 | 単線結線図と停電範囲を示せるか。 |
| 防水処理 | 固定部が漏水経路になり得るため。 | 貫通部の施工記録を残すか。 |
| 蓄電池 | 接続方式と設置環境で計画が変わるため。 | 容量、PCS、設置場所、保守方法は何か。 |
発電量だけでなく、建物と設備の条件を同時に比べます。
許可業種から候補を探す
設置方式と付帯工事を整理してから、候補を探します。
- 電気工事屋根置き型の太陽光設備と電気接続が中心です。電気工事の会社一覧
- 屋根工事屋根一体型や、設置前の葺き替えで候補になります。屋根工事の会社一覧
- とび・土工・コンクリート工事地上設備の基礎、整地、外構を伴う場合の候補です。とび・土工・コンクリート工事の会社一覧
許可業種は施工品質を保証しません。
施工実績、資格者、設計根拠、保証と保守体制も確認します。
建設業許可の業種の見方も参照してください。
参考にした公式資料
- 国土交通省業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方で、屋根一体型と屋根置き型の区分を確認しました。
- 経済産業省太陽電池発電設備を設置する場合の手引きで、電気工事士と設備保安の考え方を確認しました。
- 経済産業省電力貯蔵装置(蓄電池)・蓄電所を設置する場合の手引きで、蓄電池の法制上の扱いと手続を確認しました。
個別設備の許可、届出、保安要件は所管行政へ確認してください。
よくある質問
屋根に載せる太陽光パネルは、すべて屋根工事ですか?
いいえ。国土交通省は、屋根一体型を屋根工事、一般的な屋根置き型の設置を電気工事と整理しています。屋根置き型では、設置に伴う止水処理も電気工事の範囲に含めています。
蓄電池の設置は屋根工事に含まれますか?
含めて考えません。蓄電池は電力を蓄える電気設備です。接続先、容量、PCS、保護装置、設置場所、基礎や防火条件を確認し、必要な専門工事を整理します。
電気工事の許可があれば施工品質も保証されますか?
保証されません。建設業許可は候補整理の材料です。屋根調査、構造検討、電気工事士の配置、施工記録、保証条件、保守体制を会社ごとに確認してください。