
国土交通省が2026年7月27日に公表した6月の建設労働需給調査では、手持ち現場の不足率が配管工で2.7%、型わく工(建築)で2.1%でした。6月調査時点で、8月の技能者確保を「困難・やや困難」とした回答も24.5%あります。調査日前の最近1か月における新規募集不足率は、型わく工(建築)が8.1%、配管工が7.8%です。これは協力会社への応援依頼が断られた割合ではありません。直用労働者を新たに確保する段階で両職種の不足率が高かったことを、自社の未確定班を確認する警戒材料として使います。
Quick Summary
この記事の要点
- 全国8職種計6月は1.0%の不足。前月の1.2%から不足幅は0.2ポイント縮小
- 新規募集調査日前の最近1か月は型わく工(建築)8.1%、配管工7.8%、8職種計3.9%の不足
- 8月の見通し6月調査時点で「困難・やや困難」とした回答は24.5%。工事・週・職種ごとに未確定班を確認
労務・人員計画
全国8職種計1.0%に対し、配管工は2.7%、型わく工(建築)は2.1%不足
調査は6月10日から20日までの間の1日を対象にしています。型わく工と鉄筋工を土木・建築に分け、左官、とび工、電工、配管工を加えた8職種計は、1.0%の不足です。前月は1.2%、前年同月は1.1%の不足でした。
不足率の分子は、確保したかったのに確保できなかった人数から、確保後に余った人数を引いた数です。これを、確保済みの人数と確保できなかった人数の合計で割って算出します。全国の技能者総数に対する欠員率や、求人倍率ではありません。
調査対象は、建設業許可を持つ資本金300万円以上の法人のうち、対象職種を直接雇用する約3,000社です。今回の有効回答は985店社、手持ち現場は5,652か所でした。集計する技能者は職長、熟練工、半熟練工などの「一般工」で、未熟練工、手元、見習いは含みません。
6月の手持ち現場で不足率が最も高かったのは配管工の2.7%です。次いで型わく工(建築)が2.1%、左官が1.3%でした。鉄筋工(建築)は1.9%の過剰で、職種によって方向が分かれています。
| 職種 | 2026年6月 | 前月 | 前年同月 |
|---|---|---|---|
| 型わく工(建築) | 2.1%不足 | 0.2%不足 | 1.3%過剰 |
| 配管工 | 2.7%不足 | 1.3%不足 | 0.6%不足 |
| 8職種計 | 1.0%不足 | 1.2%不足 | 1.1%不足 |
型わく工(建築)は前年同月の1.3%過剰から2.1%不足へ変わり、前年差は3.4ポイントです。配管工も前年同月の0.6%不足から2.7%不足へ広がりました。全国8職種計1.0%の内訳として、この二職種の変化を分けて見ます。
労務・人員計画
工程表は「職種×週×確定状況」で組み直す
人員表を月合計だけで管理すると、必要な週の重なりを見落とします。8月第1週から9月末までを週単位にし、工事ごとに次の項目を並べます。
| 確認項目 | 記録する内容 |
|---|---|
| 作業期間 | 開始日、必要日数、雨天時の代替日 |
| 必要な班 | 職種、人数、必要資格、職長の有無 |
| 確定状況 | 直用、協力会社、応援候補、未回答を区別 |
| 前後工程 | 型枠前の鉄筋・設備、配管後の試験・仕上げ |
| 判断期限 | いつまでに未確定なら工程を動かすか |
「依頼済み」と「確定」は分けます。口頭で相談した段階を確定人数へ入れると、複数現場で同じ班を見込む重複が起きます。会社名、班数、作業日、回答日を残し、確定した枠だけ工程表へ反映します。
労務・人員計画
6月の新規募集では、型わく工(建築)・配管工とも8%前後が不足
調査日前の最近1か月に、直用労働者を新たに確保しようとした場面では状況が違います。「新規募集過不足率」は、確保したかったのに確保できなかった人数を、最近1か月以内に確保した人数と確保できなかった人数の合計で割った値です。型わく工(建築)は8.1%、配管工は7.8%で、8職種計の3.9%より約4ポイント高い水準でした。
この数値は、求人市場全体の採用成功率や、協力会社への応援依頼の成約率ではありません。調査企業の直用労働者の新規募集で生じた過不足を示します。自社の応援手配は、協力会社ごとの回答と工程表で別に確認します。
前月と比べると型わく工(建築)は9.9%から8.1%へ下がり、8職種計も6.0%から3.9%へ下がりました。全職種で一斉に悪化しているわけではありません。配管工は前月の4.0%から7.8%へ上がっており、変化する職種を分けて見る必要があります。
労務・人員計画
6月調査時点で、8月の確保を難しいとした回答は24.5%
6月調査時点の8月見通しでは、「困難」が9.6%、「やや困難」が14.9%でした。合計24.5%で、有効回答の4分の1に近い割合です。「普通」は69.1%、「やや容易・容易」は合計6.3%でした。
公表資料の要約では、8月と9月の見通しを「普通」としています。これは回答の中で「普通」が最も多いという意味です。すべての会社が問題なく確保できるという意味ではありません。
9月の見通しは回答区分が8月と異なるため、24.5%と21.0%は単純比較できません。9月は「困難」が21.0%、「普通」が59.7%、「容易」が10.5%です。これは既存班の継続可否を調べた数字ではありません。工程が9月へずれる場合は、同じ班を継続できるか協力会社へ別に確認します。
労務・人員計画
型枠はコンクリート日、配管は試験・仕上げ日から逆算する
型わく工(建築)は、コンクリート打設日を固定したまま手配だけを後回しにすると、鉄筋、設備、検査まで詰まります。打設日から、型枠の建込み・解体に必要な日数を戻し、鉄筋工や設備業者との作業範囲も決めておきます。
配管工は、配管が終われば工程完了とは限りません。圧力試験、通水、保温、天井・壁の閉鎖、機器接続までの順序があります。配管班が未確定なら、内装側へ渡せる日も未確定として扱う方が工程の実態に合います。
追加の応援が取れない場合は、同じ職種が重なる二現場の開始日をずらす、先行できる区画を分ける、資材搬入日を動かすなど、手配以外の変更も候補になります。
労務・人員計画
残業・休日作業で埋める前に、原因を切り分ける
残業や休日作業が必要でも、原因が人員不足とは限りません。国交省が「強化現場」と呼ぶ、残業・休日作業を実施している現場は全手持ち現場の2.1%でした。前月と前年同月はいずれも2.5%です。
強化理由は、「その他」を除くと昼間時間帯の制約が32%、天候不順と前工程の遅れが各12%、無理な受注が4%でした。作業時間の制約が原因なら、人数を増やしても施工可能時間は増えません。前工程の遅れなら、後工程へ人を追加する前に引渡し条件を確定する必要があります。
「人が足りない」でまとめず、時間、天候、前工程、受注量を分けると対策を選びやすくなります。
労務・人員計画
全国値と、自社の未確定班を分けて数える
地域別の8職種計は、関東と中部が1.3%不足、北海道が1.1%、東北が1.0%でした。北陸は0.9%過剰、沖縄は均衡です。ただし、これは地域内の8職種を合計した値で、個別県・個別職種・特定週の応援可否を示しません。
自社で優先する数字は、今後8週間で未確定の班数、未確定のまま判断期限を過ぎる工事数、同じ協力会社や職長を重複して見込んでいる現場数の三つです。
この三つが分かれば、応援会社へ連絡するのか、工区を分けるのか、着手日を動かすのかを決められます。全国統計は警戒する職種を探す材料、自社の手配表は工程を決める材料です。
労務・人員計画
今日決めるのは、未確定班の期限と代替工程
- 工事部長8月から9月の型枠・配管作業を週別に並べ、未確定の班へ回答期限を置く
- 現場責任者依頼済みと確定済みを分け、前後工程へ渡せる日を更新する
- 積算・営業担当受注前の工事について、必要職種の手配見通しを工事部門へ照会する
- 手配できない工事開始日の変更、工区分け、資材搬入日の変更を発注者・協力会社と早めに協議する
7月調査は8月25日に公表予定です。日程は変更される場合があります。次の数字を待ってから動くのではなく、今週は未確定班と工程上の判断期限を先に確定します。更新値は、9月以降の配置を見直す材料として使います。
労務・人員計画
ファクトチェックに使用した一次資料
本記事は2026年8月4日時点の国土交通省公表資料をもとにした一般的な実務整理です。調査は全国の一部企業を対象とした標本調査であり、個別地域・職種・会社の採用可能性を保証するものではありません。実際の配置は、自社の工程、雇用・請負関係、協力会社の回答を確認して判断してください。